柴犬は飼主の愛を独占したい生き物|多頭飼いで見えた先住犬の嫉妬
犬を飼った事がある人なら、「犬は飼主の愛を独占したい生き物!」だという話を大なり小なり実感した事があると思う。
うちの白柴も飼主の愛を独占したいタイプの犬。よその犬を撫でることはタブー。よその犬を撫でていると嫉妬に狂った顔でオレの方を見つめ、隙があれば撫でていた犬を噛もうとする。うちの白柴みたいな子はけっこういる。10匹中3匹位の割合でいるような気がする。犬種別には、肌感覚では和犬、和犬の中でも特に柴犬に多い気がする。
飼主の愛情以外に独占欲が顕著に現れるのが、ご飯(おやつ含む)、おもちゃ、寝床だ。飼主が触るぶんには、ギリギリ我慢している感じ。飼主以外が触ろうもんなら、人でも犬でも容赦なくブチギレる子が多い印象。
こんな独占欲の強い性格の犬が、家の中で、飼主の愛情、ご飯、おもちゃ、寝床を独占しながら暮らしている所に、2匹目を放り込んだらどうなるか?きっと先住犬は嫉妬心や独占欲で怒り狂ってしまう。好奇心旺盛な仔犬はヒョコヒョコと怒り狂っている先住犬に寄っていくのは想像に難しくない。その状況なら、きっと先住犬は近づいてきた仔犬に、自分の大切な縄張りを荒らしたことに対する怒りからの一撃を与えるだろう…そしてお迎えしたばかりの仔犬は大怪我とトラウマを抱える、と言うことは多分にある。
攻撃的にならなくとも、今まで自分に与えられてきた飼主からの愛情を仔犬に取られてしまっている感覚で強いストレスを感じ病気になってしまうかもしれない。
こんな先住犬の白柴と新しく迎え入れる仔犬の赤柴の架け橋として頑張った、仔犬の赤柴をお迎えした1ヶ月間を思い出しながら記録をしていこうと思う。
最初の1ヶ月はサークル越しだけのご対面
先住犬の白柴と仔犬の赤柴はサークル越しで「初めまして!」の挨拶をした。その時の先住犬の白柴の恐ろしいことといったら、先住犬の白柴は、可愛らしい仔犬の赤柴を隙あらば噛みついてやる!と言う感じで仔犬の赤柴のサークルの周りに張り付いて、徹底的に監視しておりました
もし、お迎え直後に仔犬の赤柴がサークルから出てしまっていたら、今ごろは白柴とオレの2人きりの生活に戻っていたかもしれない。それほど危険な状況だった。
先住犬の白柴の執念は凄まじく、本当に約1ヶ月程度はサークルの周りで仔犬の赤柴をガッチガチに監視の状態が続いた。先住犬の白柴とは別の部屋で赤柴をフリーにして遊ばせてやっていたが、その間、別の部屋にいる先住犬の白柴の怒りの唸り声が止むことはなかった。
1ヶ月近く経っても先住犬の白柴は全く赤柴を受け入れる様子はなかったので、「先住犬の白柴は一生、仔犬の赤柴を受け入れないパターンなのかも!」と覚悟した矢先、先住犬の白柴が急に仔犬の赤柴に心を開いて、赤柴を受け入れた。
この頃の先住犬の白柴はまだ避妊手術をしていなかったので、タイミング的にはヒート(生理)の時期だった。ヒートで急に母性が目覚め、仔犬の赤柴を自分が産んだ子だと勘違いしてる???ような感じに見えた。
1ヶ月も先住犬の白柴に唸られ吠えられ続け、側から見れば気が滅入りそうな環境だったのにも関わらず、仔犬の赤柴はケロッとしていた。精神的には鈍感力がズバ抜けている、鋼のメンタルを見せてくれた。唸り吠え続けられた事を気にしていないどころか、先住犬の白柴のことが大好きな様で、常に白柴の事が大好きアピールをしていた。この鋼のメンタルからのスキスキ❤️アピールも白柴の嫉妬と独占欲からの怒りの炎を消す一因だったように思う。
うちの先住犬の白柴と赤柴の距離は、徐々にではなく、急激に縮まり、本当の親子の様になったのを記憶している。
先住犬の白柴が仔犬の赤柴を受け入れてからは親分と子分の関係に
犬は仲間に受け入れるとなったら、照れも恥ずかしさもなくコロっと態度を変えられるようで、先住犬の白柴は仔犬の赤柴の遊び相手をし、世話をし、一緒に寝てあげて、時には迫力満点で叱り、我が家のルールをしっかりと仔犬の赤柴に教え込んでくれていた。
ただ、仔犬の赤柴はオレに対しては相当なヤンチャ坊主で、仔犬の赤柴がご飯を食べている時にオレが近づこうもんなら容赦無く噛んでくるようなヤツだった。
正直、仔犬の赤柴がこのまま大人になると噛み癖の残るヤバイ柴犬になっちゃいそうだな!って不安になっていた。そんな仔犬の赤柴は白柴には従順だった。オレは先住犬の白柴以下か、と思っていた矢先に仔犬の赤柴の性格が急変する出来事があった。
仔犬の赤柴が先住犬の白柴の目の前でオレに噛みついた途端、先住犬の白柴は仔犬の赤柴の首を噛んだままブリブリと振り回して、その挙句に前足で踏みつけて、大きく口を開けて仔犬の赤柴の事を唸り散らかした。仔犬の赤柴はパニックになってバタバタしながらわめき散らしていた。犬が本気で「叱る」とはこれほどの迫力なのか!!と正直ビビった。先住犬の叱り方に比べれば、おれは…「出来れば〜やめて頂けると〜嬉しんですけど〜」って感じの、ご機嫌伺いしている様な雰囲気しか出せてなかったと思った。
この時、仔犬の赤柴は間違いなく先住犬の柴犬に殺されると思った。でも、そこはさすがの先住犬の白柴。先住犬の白柴の絶妙な力加減のおかげで、仔犬の赤柴は怪我一つせずにいた。きっと犬社会では叱る=肉体的ダメージを与えると言う事はないんだろうなと思った。
この出来事以来、赤柴はオレに甘噛みどころか歯を当てることすらしなくなった。
多分、白柴が教育してくれていなかったら、オレは生傷が絶えない日々を過ごしていたんだと思う。
サンキュー先住犬の白柴❣️
先住犬の白柴の活躍で、飼主>白柴>赤柴 のパワーバランスが確立され平和が訪れた
今は白柴と大きく育った赤柴(白柴の体重の2倍)・オレの2匹と1人の小さな家族で仲良く暮らしている。
赤柴をお迎えすることによって大変な事は増えた。ノミ・ダニ・フィラリヤ薬と狂犬病予防注射、5種ワクチン接種、犬用のペット保険の支払いの時は結構頭が痛い。
でも、赤柴を迎えて大変になった以上に、赤柴のおかげで先住犬の白柴とオレが笑う事が増えた。先住犬の白柴は親分風をふかしながら、子分できた事でイキイキとしている。オレは先住犬の白柴と赤柴のコントの様なやり取りを見ては1日に何度も笑っている。
赤柴が我が家に来てくれて本当によかった。
これからも、白柴と赤柴とたくさんの思い出を作りながら生活をしていくつもり。白柴・赤柴!これからも宜しくな!