アラフィフになると「不要でも捨てられない」が増えてくる

ふと自分の家の中を見渡すと、びっくりするくらい不用品だらけなのに気づいた。
年々、不用品が増えている感じがする。と思っている人も多いと思う。
それは、気のせいでも勘違いでもなくて、データ的にも科学的にも年を取るほどに「捨てる」事ができなくなってくるらしいんだ。
年代と「捨てられなくなる心理」
20〜30代
- 引っ越しや転職などライフイベントが多く、モノを減らす機会も多い
- 流行や趣味の変化が速いので「買っては捨てる」が自然にできる世代
40〜50代
- 経済的に安定し、買える量が増える
- 「まだ使える」「高かった」という思いから捨てにくくなる
- 子どもや家族がいる人は「いつか誰かが使うかも」と保管する傾向が強まる
60代以降
- 「モノ=思い出」という価値が強まる
- 亡くなった家族の遺品や、自分の若い頃の記念品を捨てにくくなる
- 「死後に片付けてもらう」ことを考え始めて逆に断捨離を始める人も

科学的には
- 損失回避バイアス(Prospect Theory)
→ 人は「得をする喜び」より「損をする痛み」を強く感じる。年齢を重ねるほど保守的になり、この傾向が強まる。 - 感情的価値の蓄積
→ 年を取るほど「モノ=過去の自分の証拠」になりやすく、思い出補正が強くなる。 - 認知機能の変化
→ 年齢とともに「判断の柔軟性」が低下するため、手放す決断を先送りしやすくなる。
「じゃあ、しょうがない!」で放置しておく手もあるんだけど、要らないものに囲まれて生活すると、人間にとって良く無い事が起こるらしいんだ。
不用品に囲まれながら生きることのデメリット

心理・メンタル面のデメリット
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ストレスが増える
物が多いと視覚的な情報量が増え、脳が常に処理を迫られて疲れる。スタンフォード大学の研究では、散らかった環境にいるとコルチゾール(ストレスホルモン)が上昇する傾向があることがわかった。 -
集中力が下がる
机の上に不要物が多いと、注意がそちらに奪われて作業効率が落ちる。「視覚ノイズ」と呼ばれる現象で、常に雑念が入ってくる。 -
自己肯定感が下がる
片付けられない → 自分はだらしない → 自己評価が下がる、という負のループに入りやすい。
生活面のデメリット
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時間の浪費
探し物にかかる時間が増える。アメリカの調査では「人は年間平均150時間を探し物に使っている」とも言われる。 -
お金の浪費
どこにあるか分からず「また買う」同じ物を複数持つ → スペースとお金をさらに消費 -
衛生面の悪化
ホコリやカビが溜まりやすく、アレルギーや喘息の原因になる。食材のストックが多すぎて「気付いたら賞味期限切れ」も起きやすい。
老後リスク
- 物に囲まれすぎて「転倒リスク」が上がる。
- 生活環境の乱雑さが認知機能低下のリスク要因とされる研究もある
- 最終的には「遺品整理」で家族に大きな負担をかける。
不用品=ゴミに囲まれて、ゴミに執着して生きていて良い事があるわけがない。
そこで盛んに叫ばれているのが断捨離なんだ。

断捨離とは
インドのヨガ哲学や仏教の考え方をベースにして「断捨離」という言葉を広めたのは、ヨガの指導者・やましたひでこさん。
「モノを通じて心の執着を断ち切る」精神性が強く、行為そのものより「心のあり方」に重きを置く考え方。
漢字の意味(もともとの修行用語)
- 断 … 入ってくる不要なものを「断つ」
- 捨 … 家にある不要なものを「捨てる」
- 離 … 物や執着から「離れる」
単なる片づけじゃなくて、心の執着を手放す修行に近い意味なんだ。
断捨離って年末の大掃除と一緒で、年末の恒例行事みたいになっているんだけど、本当は毎日暮らしの中でする事らしい。
断捨離する能力を手に入れる事で、ものに執着せずにいられる精神を手に入れて、ものからの束縛から解放されるという事らしい。
断捨離をすると得られる4つの自由

断捨離をしていくと得られる4つの自由があるんだ。考えてみればわかる事なんだけど、捨てられない心=執着心で自分の生き方を狭めて不自由にしか生きられなくなっていく。しかも、年を取るごとにこの傾向は強くなっていく。アラフィフのタイミングで断捨離の能力を手に入れて、より自由に生きていきたい。
1. 空間的自由
- モノが減ると部屋が広く使える
- 掃除がしやすくなる → 清潔が保てる
- 「床が見える」「机に余白がある」だけで解放感が増す
物理的な圧迫感から解放される
2. 精神的自由
- 物が目に入ることで生まれる「やらなきゃ感」「持ってるだけストレス」から解放
- コーネル大学の研究でも「散らかった部屋=ストレスホルモン増加」が確認されている
- 「物が減る=思考の余白ができる」
心のノイズが減って、軽やかに動ける
3. 経済的自由
- スペースがある=余計な収納家具を買わなくていい
- 「何を持っているか」が明確になるから二重買いが減る
- 捨てた時の「お金の痛み」を経験することで、購買行動が慎重になる
無駄な出費を減らし、生活コストが下がる
4. 選択からの自由
- 洋服や道具が減ることで「選ぶ時間」が減る
- スティーブ・ジョブズやオバマが「同じ服を着る」のも、意思決定疲れを減らすため
- 物が減ると「今日はどれにしよう?」のストレスから解放される
選択肢が少ないほど、重要な判断に集中できる
断捨離の始め方 ― 実践の第一歩

「断捨離が大事なのは分かるけど、いざやろうとすると何から始めればいいかわからない」という人は多い。
オレもそうなんだけど、いきなり家中のモノを見直すのはハードルが高い。だからこそ、小さく始めるのがコツなんだ。
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ワンエリア方式
机の上だけ、クローゼットの一段だけ、引き出し一つだけ。小さな範囲を徹底的にスッキリさせる。 -
ワンカテゴリー方式
Tシャツだけ、靴下だけ、本だけ、みたいに同じカテゴリーをまとめて見直す。量の把握ができると「こんなにいらない」と気づける。 -
ワンデイ方式
「今日は1日1個だけ捨てる」と決めて、ハードルを下げて継続する。
断捨離って一気にやるよりも、毎日の暮らしの中で「これは本当に必要か?」と問い直す習慣を身につける方が大事だと思う。
創造の前に破壊あり ヒンドゥー教シヴァ神

アラフィフになるとモノに執着しやすくなり、不要なモノでもなかなか捨てられなくなる。
でも、断捨離をすることで 空間的自由・精神的自由・経済的自由・選択からの自由 を取り戻すことができる。
最初から完璧にやろうとせず、まずは 机の上1カ所、引き出し1つ、1日1個。
小さな断捨離を積み重ねていくことで、気づけば暮らしも心も軽くなっていく。
「創造の前に破壊あり」というシヴァ神の言葉を胸に、オレもアラフィフの今から執着を手放す練習をしていきたいと思う。