知らないうちに溜まる脳疲労

いるだけで落ち着かない場所や、疲れてくる場所に出会った事はないだろうか?
人間は5感を使って自分の周囲の情報を得ているんだけど、脳が処理する情報の大半は視覚由来なんだ。目からの情報をスムーズに処理する事で人間は進化の過程で生き残ってきた。目に入る物を自動で脳で処理し、周囲に危険がないか?自分がやるべき事はないか?仲間の表情から孤立していないか?を瞬時に判断するようにできている。
つまり、目から入る情報量が多ければ多いほど脳は、視覚情報の処理・ワーキングメモリーの圧迫・判断・ストレス反応から一気に疲れてしまうんだ。
オレは離婚したてホヤホヤの頃、結婚生活の大半を過ごした今の我が家にいるだけで、落ち着かなかったし、妙に暗い気持ちになったし、精神的に疲れてきたって言う経験をしている。
今でも同じ家に住んでいるんだけど、離婚当初、住宅ローンまみれで引っ越せなかった事もあり、居心地のいい家にするためにはどうしたらいいんだ?と言う事を必死に考えて調べて実行してきた。結果、現在ではとても落ち着いてリラックスできる場所になっている。
脳疲労の特徴

「脳が疲れる」といっても頭が重いだけではなく、体・心・行動にさまざまな症状が出てくるんだ。
1. 認知(考える力)への影響
集中力が続かない、判断が遅い/間違いが増える、記憶力の低下(うっかり、ど忘れ)、優先順位がつけられないと言った症状。例えば、パソコンの前に座っても作業が進まない、買い物で余計なものを選んでしまうとか。
2. 感情・メンタル面への影響
イライラ・怒りっぽくなる、気分が落ち込む、やる気が出ない、不安が強くなる、感情の起伏が激しくなると言った症状。例えば、普段なら気にしないことで腹を立てるとか、趣味を楽しめないとか。
3. 身体的なサイン
頭痛・目の疲れ、肩こり・首の重さ、睡眠の質が下がる(眠れない/熟睡できない)、食欲の乱れ(食べすぎ・食欲不振)などの症状。例えば、寝ても疲れが取れない、コーヒーを飲んでも頭がぼんやりする。
4. 行動への影響
先延ばしが増える、同じことを何度も確認する、無駄なルーティンに逃げる(SNS、ネット徘徊)、「時間がない」と頻繁に感じると言った症状。例えば、本当に必要な作業よりも、どうでもいいことに時間を使ってしまうとか。
脳疲労が溜まると、頭が回らない(認知の低下)、気分が乱れる(感情の不安定)、体が重い(身体の不調)、行動が後ろ向き(先延ばしや無駄行動)と言った諸症状が出てきて、人生が楽しめなくなってくるんだ。
外出先で脳疲労が溜まってしまうのはまだしも、リラックスして次の楽しい事へ挑戦するための力を養うはずの自分の家や部屋で脳疲労を溜めてしまっていては本末転倒になってしまう。
オレが離婚した時に、リラックスできる家にするために捨てたモノTOP5をあげていくから、脳疲労の疑いがあるなと思う人は是非参考にしてみて。
脳疲労をしないために家から捨てるべきモノTOP

第5位. ネガティブな感情を呼び起こす物
元恋人からの品、過去の失敗を思い出す書類、嫌な時期に使っていた物は、見るたびに気分が下がり、行動力のブレーキになる。思い切って処分すると、エネルギーが前に向きやすくなる。
オレは離婚してからは、必死に思い出の品を捨てていた。捨てるたびに心が軽くなっていくのを感じた。今思えば本当の意味での断捨離だったのかもしれない
第4位. ノイズを生むインテリア・雑貨
ノベルティグッズ、趣味がバラバラの小物、色味が統一されていない雑貨。脳は無意識に情報処理してしまい、集中力や判断力を浪費。好きな物・落ち着く物だけを残すと、思考が冴える。
第3位. 着ていない服・サイズが合わない服
「痩せたら着よう」「高かったから…」と残していて捨てられずにいる服や靴やカバン等。クローゼットを開くたびに「選択のノイズ」として脳に情報が届き、痩せたら着ようや高かったから捨てられない…と何度も、何度も見るたびに同じ事を判断しているんだ。そして朝の判断力を削る結果に。今の自分に合う服だけにすると、毎日の決断疲れが減る。
第2位. 使っていない家電・故障した家電
動いてないプリンターや古いスマホ、壊れかけの電化製品を見るたびに脳は「直す?売る?捨てる?」と小さな判断をし判断力を消耗する。思い切って処分するか、すぐに売る。
第1位. 見るだけで「未処理タスク」を思い出させる物
家や部屋の中に散らばる読みかけの本、未開封の郵便物、片付け途中の書類など。脳はそれを見るたびに「まだ終わってないよ」と処理を要求してきて、脳のエネルギーを奪う。書類はファイルボックス1つにまとめる、積読は本棚に「保管」して視界から外す。
これらを 捨てるだけで「判断するエネルギー」が減り、自然と行動が早くなる。オレが過去から現在で1番苦労しているのが未処理の書類。ついつい後回しにして溜めてしまって、常に頭から離れずに、でも処理したくなくてを繰り返して、自分を痛ぶり続けるドM状態になっているんだ。だからオレはできる限りその場で処理して、必要のない書類は速攻でゴミ箱にポイするようにしている。
オレもまだ完璧じゃないけど、モノを減らすたびに気持ちが軽くなった
まずは机の上の紙一枚でもいい。ひとつ手放すだけで、脳の疲れは確実に軽くなるんだ。
参考研究まとめ

1. 散らかった環境は集中力を奪う
Princeton大学 神経科学研究所 (2011)
机の上が散らかっていると、脳は無関係な視覚情報まで処理しようとして集中力が低下することが判明。つまり「余計な物があるだけで認知資源を奪われる」。
2. 選択肢が多いほど判断力が落ちる
Barry Schwartz『The Paradox of Choice』(2004)
選択肢が増えると意思決定に必要なエネルギーが増大し、満足感も下がる。クローゼットに服が多い → 朝の判断力が削られるのはこの効果。
3. 未完了タスクが頭を占拠する
Bluma Zeigarnik「ツァイガルニック効果」(1927)
人は「終わっていないこと」を記憶に残しやすく、注意を奪われやすい。
積まれた書類や読みかけの本が見える → 脳が常に「やれ」とリマインドしてしまう。
4. ネガティブ記憶を呼び起こす物の影響
Emotion regulation研究 (Gross, 2002 など)
環境の刺激(写真・持ち物など)は過去の感情を想起し、気分や実行意欲に影響を与える。過去の失敗を思い出す書類や嫌な人の物 → 無意識に意欲を削ぐ。
5. 整理整頓と幸福度・実行力の関連
UCLA「Center on Everyday Lives of Families」研究 (2010)
物が多い家庭ほどストレスホルモン(コルチゾール)の値が高く、特に女性で顕著。片付け=ストレス軽減=前向きな実行力に直結。