行政や他人は愛犬を助けてくれない現実!
災害時の避難は、国の指針では愛犬の同伴避難が基本。でも現場では犬を後回しや犬不可にされる現実がある。
大災害時は平時ではなく緊急時。避難所に避難している人たちの心理状態は不安や恐怖で支配されている可能性を考えておくべきなんだ。そんな状況では、人は“自分や家族を守ることで精一杯”になるからこそ、他人の犬への配慮は後回しになりがち。
都心部などの人と人のつながりが希薄なエリアでは露骨に態度に出てしまうことも想定できる。
仮に数人でも強く「犬を連れてくるな」主張すれば…、犬不可になってしまう可能性がある。
考えられるケースは、
- 犬アレルギーや動物嫌いの人がいて、犬や猫の毛・鳴き声・匂いで苦情が出やすい。
- 人でいっぱいの避難所では、ペットのスペースが後回しにされることがある。
- 衛生面への懸念から愛犬の排泄やノミ・ダニなど、衛生管理ができないと感染症リスクを指摘される。
- 「ペット不可」とされてしまう場合も。
愛犬を連れての同伴避難は必ずしも円満にいくわけではないのが現実だと思っておいた方がいいと思う。
だからこそ、飼い主が“犬を守る責任は自分にある”と覚悟して備えておく必要がある
備蓄は正義!でも大災害では役に立たない
ネットでこの手の情報は溢れかえっているから知らない人はいないと思うんだけど、改めて見てみると結構な準備が必要だったりするんだ。
考えてみればわかると思うんだけど、これだけの量を持って避難所に避難をする事は物理的に不可能と言ってもいい。
オレのように多頭飼いをしている愛犬家なら尚更だ。
ライフラインが絶たれても、家や周辺環境が無事な場合にしか、災害用に準備したものは役に立たないと考える事がスマートだと思う。
ペット用 災害時の基本準備リスト
① 食事・水
- フード(最低5日〜1週間分、できれば2週間分)
普段食べ慣れているもの。突然切り替えると体調を崩す場合がある。 - 飲料水※最優先(体重10kgの犬で1日約1リットルが目安)体重1kgあたり約50〜60mlが必要といわれているんだ。余裕をもって準備をする事。人間も同じなんだけど、犬も水が1〜2日飲めなければ命に関わる事を忘れないで。
- 食器(折りたたみ式や軽量のもの)
② 安全確保
- キャリーケース / クレート
避難所や車中泊での必須アイテム。「犬用の部屋」として落ち着けるスペースにもなる。 - 予備のリード・ハーネス・首輪
災害時は犬がパニックになりやすいので、二重リード推奨。 - 迷子札・マイクロチップ情報
連絡先・名前を明記した首輪タグ。
③ 衛生
- 排泄用の道具(ペットシーツ・うんち袋・簡易トイレ)
- 消臭スプレーやウェットティッシュ
- ノミダニ・フィラリア薬(長期避難を想定して余分に)
④ 情報・身元確認
- ワクチン接種証明書
- 狂犬病予防接種証明書(避難所によっては提示必須)
- 健康手帳や服薬中の薬情報
- 写真(犬と一緒に写ったもの)
→ 迷子時に飼い主である証明になる。
⑤ 心身ケア
お気に入りのおもちゃ・毛布
→ 匂いのついたものは犬の安心材料になる。
ストレス軽減グッズ(噛むおやつ、知育トイなど)
使える場面が限られる防災用の備蓄
自分の家が無事なら備蓄が生きる。ただ、家が被災してしまうと持ち出せるのはごく一部か、場合によっては何も持ち出せない可能性がある。
つまり、
“命をつなぐ最低限”を持ち出し用として準備しておく
“それ以外は家に備蓄”しておく
という2段構えの備えが、現実的には必要になってくると思う。
自動車を持っている人は夏場のエアコン用にガソリン満タンを心がけよう
夏場の災害で電力が止まると、それだけで愛犬と飼主の熱中症リスクが上がる。
昼の1番暑い時間だけ車の中で凌ぐだけでも熱中症リスクは下がる。
気がついた時にガソリン満タンにしておく事も災害対策といえると思うし、オレはやってる。
お散歩バッグで出来る大災害時のサバイバル術
オレは愛犬と共にサバイバルをしながら緊急時を凌がなければいけないという事態も想定している。
というか、割とそういう事態は発生するのではないかと思っている。
地域全体が破壊されるような災害の場合、停電・断水・物流ストップで物資が一気に不足する。
その状況では、避難所も混乱し犬は受け入れ制限が厳しい事が予測できる。
当然、警察・消防も人命救助でフル稼働の為「ペットの救助は後回し」。
こんな状況になれば、「避難」=完全にサバイバルになる。
つまり、愛犬と飼主の生存を自力で繋ぐしか無いんだ。
この状況が、登山での遭難した時に似ていると思うんだ。
と言うのも、オレは趣味で愛犬と軽い山登りをしているんだけど、軽登山でも最低限の遭難グッズを持つように心がけているんだ。
オレは経験した事はないけど、自分が怪我をしたり愛犬が怪我をしたりで遭難する事は普通にある事らしい。
山で2〜3日耐えられるなら災害時も耐えられるはずという事でおすすめしたい緊急時の避難グッズを紹介する。
これらをいつものお散歩バッグに入れておけば、即災害時に対応できる現実的な避難バッグになるんだ。
1. 低血糖を避ける
・人間:飴やチョコで即エネルギー補給
・犬:小袋フードやおやつを1食分
2. 低体温を避ける
・レジャーシートやゴミ袋で雨風を凌ぐ
・犬は濡れると逆に冷えやすいので要注意
・折り畳み傘は雨対策と熱中症対策に
3. 水分補給を欠かさない
・人間も犬も水が命の最優先
・折りたたみボウル+ペットボトルをお散歩バッグに
・犬は体重の約10%以上の水分を急速に失うと命に関わると言われている。
だからこそ、人間と同じく“水の確保”を最優先にして欲しい。
4. 小型ライトで明かりの確保
・災害時の夜は本当の暗闇
・日が暮れてからの行動は明かりがなければまず不可能
💡豆知識:山のサバイバル知恵
登山や山岳サバイバルでは「雨風を凌ぐ場所を見つけろ」とよく言われる。
その一例が 熊笹の中に身を隠す という方法。
熊笹は背が高く密集しているので、風を防ぎ、地面も比較的乾いているんだ。
緊急時には体温を奪われにくい「自然のシェルター」になる。
犬連れの避難で実際に使う場面はほとんど無いと思うけど、
「雨風を防げる場所に入る」ことが生き延びる第一歩だという点では同じ。
家を失った時の現実
犬を飼う事ができるのは、現実的には家があるからなんだ。
もし、災害などで家を失ってしまうと愛犬との生活は一気に難しくなる。
理屈としては、犬は「安定した生活空間」を失いストレスから吠えるようになる。
避難所では受け入れ制限、屋外では安全が確保できない。
飼い主自身の生活基盤が揺らぎ、犬を養う体力・経済力が急落。
だから、犬を手放さざるを得ない状況になっていくんだ。
愛犬を見捨てない努力と、見捨てざるを得ない現実
家を失うレベルの災害では、愛犬を見捨ててでも人間が生きる道を模索しないといけない時がある。
残酷だけどこれが現実なんだ。
愛犬を救うのは飼主の思考と行動。そして最後は「運」。
自宅の立地が災害が多い地域なのか?家の構造が木造なのか?鉄骨なのか?RCなのか?
自分の生活圏の災害リスクを普段から考えておくだけでも、いざという時の行動に違いが出てくる。
咄嗟の判断が求められる緊急時には、普段の思考や行動と「運」で命を繋ぐ事ができるのか?できないのかが変わってくる。
「運」はどうしようもないじゃんと思いがちだけど、運を引き寄せる事はできる。
それが思考と行動を鍛える事。
自分のいる場所の災害リスクを減らす為にはどうしたらいいのか?を考え、災害が来たと仮定して実践訓練をする。
これで格段に生存確率があがる。
家に災害用の備蓄をしても、実際の災害リスクに照らし合わせて考えて準備しなければ無駄になるかもしれない。
愛犬を救うのは、飼主の思考と行動。そして最後に残された「運」なんだ。