ペット見守りカメラは「盗撮」「のぞき」リスクのあるカメラ
ペットカメラを設置(購入)するかどうか迷っている人に伝えたい。
家の中に、インターネットに繋がったカメラを設置するというリスクについて考えて欲しい。
そのリスクとは、
- インターネットから侵入され「盗撮」されるリスク
インターネットから侵入され盗撮なんてされる事なんて滅多に無いと思うかも知れない。ただ、セキュリティーの低いペット見守りカメラは一定数存在する。ペット見守りカメラを選ぶ際に、妙に安いものから値が張るものまであったと思う。その値段の違いはセキュリティーだったりもする。ただ、高いセキュリティー性能をもつペット見守りカメラでも、高い技術を持つ専門家にかかれば盗撮される可能性はあるという事は忘れてはいけない。
- ペットを見守るはずが、いつの間にか「家族」、とくに「パートナー」からの監視カメラになってしまうリスク
これは実際に起こり得るケースなんだ。カメラの設置場所は愛犬がどこにいても見つけられる場所に設置する事がほとんど。つまり、家族が一番いる生活空間を一望できる場所にカメラを設置するケースが多いって事。最初の目的は愛犬の見守りでも、いつの間にか家族の監視に使われていた、なんて事は結構あるらしい。
こんなリスクも抱えた商品なんだという事を踏まえて購入を検討して欲しい。
「ペット見守りカメラ」の「見守り」という言葉に誤解が生じている
こんな事を言っているオレも誤解してペットカメラを買った1人なんだ。
最近では「ペット見守りカメラ」という名前で販売されているのをよく見かける。
「ペット見守りカメラ」という名前自体には、嘘偽りはない。だが、オレは消費者が誤解をする前提でこのネーミングを使っているとしか思えないんだ。なぜなら、ほとんどの人の意識では、「見守る」という言葉と、「何かが起きたら救いの手を差し伸べる」という言葉がセットになっていると思う。見守るけども、何かあっても救いの手は差し伸べる気はない人は、ペット見守りカメラを決して買わないと思う。この「ペット見守りカメラ」という名前は「何かあっても、ペット見守ることしかできないカメラ」である事を知って欲しい。
ペットカメラで愛犬を救えない理由
最初にオレが実際に経験した実話を話しておく。
オレも家にペットカメラを設置している。オレの仕事はトラックの運転手。
信号待ちでたまたまスマホの画面をチラ見すると、オレの愛犬の赤柴が吐いている映像が映っていた。
長野県の松本にいて、名古屋向けに走っていたとこだった。どんなに頑張っても自宅までは4時間はかかる。
何度も吐く赤柴を見ながらパニックになりながら名古屋に帰った忘れられない記憶がある。
外出中にカメラをチェックする頻度なんてほんの一瞬
ペットカメラの実際の利用シーンを想像してみて欲しい。
用事があって外出をしているのだから、外出先から愛犬の様子をペット見守りカメラでチェックする時間なんてあまりない事が多いと思う。
そんな状況の中ではカメラをチェックできる頻度なんて数えるほどしかない。おそらく一回の外出で10回チェックする人はほとんどいないと思う。ペット見守りカメラを監視し続けられない限り、愛犬の異変や緊急事態を発見する事は難しいと思う。1日数回のカメラのチェックが愛犬の緊急事態に確率は宝くじを当てるようなレベルだと思う。
オレ自身、ペット見守りカメラで愛犬の緊急事態に遭遇できたのは1回のみ。それ以外は、元気だなー!かわいいな!とカメラをチェックしながら帰宅すると、ひどい下痢の後や、嘔吐の後を見る事があった。ペット見守りカメラでどこまでペットが見守れるのかも疑問。
家までの移動時間がタイムリミットを超えてたらゲームオーバー
運良くカメラをチェックして愛犬の緊急事態を発見したとしても次の問題にぶち当たる。
その問題とは、カメラで愛犬の緊急事態を確認した時にいる場所から自宅までの移動時間が、愛犬を緊急事態から救うタイムリミットになるっていう事。
外出先から自宅までの移動時間>愛犬を緊急事態から救える時間、だとタイムオーバーになってしまうんだ。
ペット見守りカメラで愛犬の緊急事態を見つけても、行政は助けてはくれない
ペットが誤飲や急病で苦しんでいたとしても、警察に電話しても救急車を呼んだとしても助けてはくれない。その時、助けられるのは愛犬の緊急事態をを知っている自分か、連絡がついて尚且つ愛犬のそばにいる家族だけなんだ。
災害時には使えない
停電・そして通信が途絶えるようなレベルの災害の時にはペット見守りカメラが使える可能性はかなり少ない。
愛犬の緊急事態をカメラで見つけた時の飼主の二次災害
愛犬家であればあるほどに、愛犬が緊急事態の時は全てを捨てでも愛犬を助けに行こうとするはず。法定速度を無視して自動車を運転をしたり、ちょっとした信号無視ならしてしまったり、公共交通機関を利用している場合なら全速力ダッシュをしたり。ほぼパニック状態の人が、パニックのまま愛犬の元へいち早く駆け寄って行こうとすると、いつもと違う行動とパニックによる不注意から二次災害を起こしてしまう可能性がある。
ペット見守りカメラの本来の意味での活用方法
ペット見守りカメラで愛犬の緊急事態を発見した時、愛犬を救えるのは愛犬の近くにいる人だけなんだ。それは、家族だったり近所の人だったり。愛犬の緊急時に助けてくれる人たちとコミュニケーションを密にとって、いざという時に助けてもらえる人間関係を作っておく事で、ペット見守りカメラの本来の目的が達成できる。
ペット見守りカメラを設置するという事は、ほぼほぼ室内飼いだと思う。その場合、防犯的にはどうかとは思うが、電話で連絡した際に近所の人が家に入るための鍵を渡しておくか、電話で伝えてすぐにわかる場所に自宅の鍵を隠しておく事も検討する必要がある。
ペット見守りカメラの本当の使い道
ペット見守りカメラは、愛犬のお留守番の時の可愛らしい姿を覗き見して癒されるという目的で使う事をお勧めする。
間違っても、愛犬の緊急事態から守るべく購入設置をするとは思わないで欲しい。
そもそも、ペット見守りカメラを置いたくらいでペットの緊急事態を回避できるのであれば、世の中の大抵の緊急事態を回避できているはず。
ペット見守りカメラで使わない方がいいと思う機能
ペット見守りカメラの機能には、?を投げかけたくなる機能がついているものがある。
残念な事に、そう言った機能がついているペット見守りカメラが人気商品なんだ。その機能が、
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おやつが出てくる → ペットカメラからおやつを飛ばす機能。飛んでいったおやつを探しながら、変なものまで一緒に食べて誤飲につながる可能性が場合によってはあると思う。おやつを飛ばして食べている姿を見て喜んでいるのは、食事が犬に大切だと思っているオレ的には、動物愛護の観点からどうかとオレは思う。多頭飼いでは喧嘩リスクもあり、より注意が必要。
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声かけ機能→得体の知れない物体から飼主の声が聞こえて、愛犬はどう思うんだろう?飼主の声を聞いて安心するならいいんだけど、飼主が帰ってきたとぬか喜びさせてガッカリさせるという精神的負担になってしまう可能性もある。実際に見守りカメラで声掛けした後、音声なしで愛犬のチェックをして安心しているのか、不安を助長してしまっているのかを検証して欲しい。
まとめ:ペット見守りカメラはペット見守るだけカメラ
カメラの導入だけでは緊急事態の愛犬は救えない。悲しいかな、これが真実なんだ。
お留守番している愛犬を見て癒されるだけならアリ。
愛犬のピンチを救えるのは、やはり人しかいない。
愛犬のためを思うのならば、愛犬を救ってくれる人との人間関係を作り大切にして行くべき。