オレが子供の頃(40年前くらい)、柴犬と言えば外飼いが当たり前。当時、外飼いの犬に毎月シャンプーをしている犬なんていなかった。そもそも、現在の様な犬を洗うと言う概念がなかった様に記憶している。洗ったとしても、外の水道水でジャブジャブ洗うという、シャンプーすら使わない洗い方だった。秋から冬そして春は寒いから洗わない。夏に水浴びを兼ねて洗っていた記憶しかない。
自立して、自分で犬を飼い始めるようになった時に柴犬を毎月1回のペースでシャンプーするのがネットや飼育本で当たり前のように飼いてある事に驚いた事を記憶している。
我が家の白柴と赤柴のシャンプーは「激くさい汁を体に擦り付けてきた時」だけが基本
白柴を飼い始めた頃は、オレもネットや飼育本の情報を鵜呑みにして白柴を毎月洗っていたが、すぐにやめた。
オレは基本的にかなりの面倒くさがりなので、臭くない、ベトつきもしていない白柴を「洗う意味なし!」と思い、定期的にシャンプーをする事をやめた。
「くさくなる」か「毛がベトついてくるか」しない限りは洗う必要は無し!と洗わない言い訳をして月一回シャンプーをやめた。
それから、月日がどれだけ経っても臭くならないし、毛がべとついてこない。だから洗わないが一年ほど続いた。
オレだけなのかな?と思っていたが、近所の人も「全然臭くないよ!」と言ってくれていたので、お世辞じゃなければ本当に臭くなかったのだと思う。
それから赤柴をお迎えして今に至るまで、緊急事態以外にはシャンプーをした事がない。犬が好きな匂いを体に擦り付けると言う行動を取ることはご存知だと思う。擦り付ける匂いが誰かがこぼしたラーメンの汁だったり、何かわからないがとにかく臭い汁だったり、どう考えても猫のウンコにしか思えない匂いを全身につけてくる事がある。オレはこれを緊急事態と定義し、この緊急事態の時だけシャンプーをしている。
「柴犬は洗わなくても臭くない」を科学的に考察してみた
「変なおっさんが変なこと言ってる」だけの話になりかねないので、科学的に見てどうなのか考察してみた
1. 月一シャンプーで犬の皮膚の常在菌バランスが崩壊する可能性がある
- 犬の皮膚は人間よりもはるかに薄く(表皮は人間の1/3ほど)、外的刺激に弱い。
- 表皮には 皮脂腺が作る脂分 と 常在菌(マラセチアなど) がバリアを作っており、これが皮膚の健康を維持。
- 過度なシャンプーはこのバリアを落としてしまい、常在菌のバランスが崩れることで乾燥・かゆみ・フケ・赤みなどの皮膚トラブルが起こる可能性がある。
2. 抜け毛と一緒に「におい」やベタつきの原因の「皮脂」が排出されている
- 柴犬は**ダブルコート(上毛+下毛)**で、防水・防汚・保温性に優れています。
- 被毛はホコリや花粉、皮脂の一部を外側でキャッチし、換毛(抜け毛)でそれらをまとめて捨てる仕組みがある。
- つまり「抜け毛が多い=汚れごと毛を捨てる」という事。
- 換毛期のブラッシングだけで相当量の汚れや皮脂を取り除ける。
3. そもそも、柴犬が臭くない犬種
防水・防寒のために皮脂分泌が多めの洋犬(特に水辺で働く犬種や狩猟犬)とくらべると、柴犬は皮脂量が少ない犬種なんだ。犬の匂いの元となるのがこの「皮脂」。この皮脂が酸化・分解されると、いわゆる「犬臭」になる。犬臭の元になる皮脂量が少ない柴犬は、臭くなりにくい犬種なんだ。
4. 月1シャンプーは皮膚に負担をかける可能性もある。特に冬場は注意!
- シャンプーは皮脂を落としすぎる → 皮膚のバリア機能低下。
- 冬場は湿度が低く乾燥しやすいため、月1でも乾燥・かゆみが出やすい。
- 人間の敏感肌と同じで「洗いすぎ」トラブルは犬でもあり得る。
5. 科学的にみたベストなシャンプー頻度の決め方
- 健康な柴犬なら、2〜3ヶ月に1回程度+必要に応じた湯シャン・ブラッシングが合理的。
- 冬は基本洗わない、夏や湿度が高い時期だけ回数を増やすのは理にかなっている。
- 緊急時(臭い汁事件・泥だらけ)は例外的に洗う。
- 月1ルールは万能ではなく、犬種・生活環境・皮膚質によって最適解は変わる。
月1以上の高頻度シャンプーをすると起こる可能性のある皮脂リバウンド
ネットや飼育本には月1シャンプーを推奨している記述をよく見かけるが、律儀な人なんかは、「月1以内で一回シャンプーしなきゃ!」なんて思う人もいると思う。ただ、そこで気をつけなくちゃいけないのが、月1以上のサイクルでシャンプーをする事によって皮脂の過剰分泌(リバウンド現象)。
原理は、人間のあたまや顔を洗いすぎた時と同じ。
犬の皮脂リバウンドが起こる仕組み
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シャンプーで皮脂を根こそぎ落とす
・犬用シャンプーでも洗浄力はかなり強め。
・皮膚表面の保護膜(皮脂膜)が一気になくなる。 - 皮膚が「乾燥=危機」と判断
・「もっと油を出さなきゃ!」という防御反応が起きる。・バリア機能が壊れると、皮膚は外部刺激や乾燥から守るために皮脂腺をフル稼働。
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必要以上の皮脂が分泌される
・これが繰り返されると常に皮脂量が多い状態に慣れてしまう。
・毛がベタつきやすく、酸化も早くなる → 匂いが強くなる悪循環。
リバウンドを招きやすい条件
- 月1以上の高頻度シャンプー(特に柴犬のような皮脂少なめ犬種)
- 高温多湿の時期に強い洗浄剤を使う
- ドライヤーの熱を長時間あてすぎる(乾燥刺激)
ついついやりがちなのが、泡いっぱいでシャンプーしないとシャンプーした気にならないからって、ガンガンシャンプー使って洗っちゃたりする事。愛犬の皮膚の皮脂を全て取り除いてしまいかねない。
適量のシャンプー量で洗うと、ほぼ泡が立たないシャンプーが多いと言う事を知っておいてほしい。
シャンプーしないからと言って何もしていないわけではない
みんなもそうだと思うんだけど、柴犬のシャンプーの大変なのって、
- 中腰で愛犬にシャンプーをする事によって、腰痛爆弾が爆発する
- シャンプーの最中、愛犬の「ブルブル」によって全身「ビショビショ」に濡れる
- シャンプーが終わった後、愛犬が興奮して走り回り、家中が「ビショビショ」になる
- 長時間のドライヤーで腰痛爆弾がまたもや爆発&愛犬の抜け毛が部屋中に飛び散る
なんだと思うんだ。腰痛持ちのオレが、毎月2匹の柴犬をシャンプーしてこれを繰り返していたら、大袈裟と思われるかもしれないが正直腰がもたない。
だからシャンプーの頻度を下げているっていうのもあるんだけど、もう一つやっているのが、
濡れタオルで月2くらいブラッシング後に全身を拭いてあげる事と、雨散歩の後は念入りにタオルで拭いてあげる事をしている。
これをしているから、臭くならないしベトつかない状態をキープできているのかもしれない。
本来、柴犬はシャンプーなしでも臭くないしベトつかない犬
最後に、オレの思い出話を読んでいってほしい。
オレが子供の頃、柴犬に限らず、犬は外飼い以外考えられない時代だった。だから、学校までの通学路にはたくさんの外飼いの犬がいて、オレはたくさんの犬の友達がいた。下校途中は友達の犬全部に挨拶をしながら帰っていたが、臭いなんて思ったことは一度もなかった。とは言え、月1でシャンプーをされているとは思えない。
おそらくは、味噌汁ご飯を中心とした食生活で、オレのような犬好きの子供の相手たくさんする事によって退屈する事なく過ごす&朝晩の散歩でストレスを発散して、晴れている日はいつも「お日様」で日向ぼっこをして匂いの原因菌の殺菌をしていたからなんじゃないのかな?と思う。