節約ができない人は、実はいい人!

お金を貯めたい時に限ってテレビやSNSで欲しいものが出てきて悩まされる事が非常に多いという人は、企業側が無駄遣いさせる罠を理解する事で、お金をすごくためらる用になるかもしれない。
というのも、人間の判断能力って思っているより弱々しくて、知らず知らずのうちに自分の判断ではなく、企業側が望む判断をするように誘導されている事が普通に起きているんだ。
オレ自身、新製品が出ては欲しくなるし、買い物に出かければ無駄なものを買ってしまう。
企業側の罠だと理解しているはずなのに、考えに考えた結果、企業側の罠にハマってしっかりと無駄遣いをしてしまっているんだ。(涙)
オレのように企業の消費させるための罠にハマって涙を流す人が一人でも減ることを祈って、企業側の巧妙な罠の解説記事を書くことにした。
無駄遣いをさせる消費者心理学 TOP4!

1. アンカリング効果(価格の基準づけ)
人間は 物の値段や数が「本当に妥当か?」をゼロから考えるのが苦手。だから、最初に目にした数字を “心の中の基準(ものさし)”=アンカー(錨) にしてしまう。その基準を元に「高い・安い」「多い・少ない」を判断するんだイメージとしては、船は海に浮かんで自由に動けるけど、錨(アンカー)を下ろすとそこを基準にして動きが制限される。脳も同じで、最初に見た数字が錨のように記憶に引っかかって、その後の判断を縛ってしまうんだ。
例①:ジャケットの値段
お店でジャケットを見せられて、店員さんが最初にこう言う:
「定価は10万円なんですよ」→ この 10万円 が脳に錨(アンカー)として刺さる。
そのあと「今はセールで7万円です」と言われると、
- 7万円が安いか高いかゼロから考えるんじゃなくて、
- 「10万円が基準」になってるから「3万円も安い!お得!」と思ってしまう。
本当はそのジャケットの“妥当な相場”が5万円だったとしても、10万円を見た時点で判断が歪む。
例②:ランチのカロリー
メニューに「このランチは1,200kcal」と書かれていたとする。すると脳は「1200kcal」を基準にしてしまう。実際のランチが800kcalでも、「1200より少ない!」という比較で「ヘルシーだな」と感じる。でも、冷静に考えれば800kcalは普通に高カロリー。
「最初に見た数字」と比べてるだけで、本当に健康的かどうかは考えていない。
アンカリング効果のポイント
アンカリング効果の怖さは、「本来の価値」や「客観的な基準」じゃなく、たまたま最初に見た数字が基準になる ところなんだ。日常生活の中では定価より高く売られて入れば高く感じ、定価より安く売られていれば安く感じる。定価という基準を消費者に与える事で実際のものの価値(実用的価値や市場相場)から定価という貨幣価値に意識をシフトされているんだ。結果、定価より安い→お得→欲しいになってしまう。
賢い消費者の心構え
必要なものを買うときに価格を見過ぎないという事が必要。必要な物を買えるのかどうかの最終判断のために価格を見る。予算より高ければ買わない。
2. 損失回避バイアス(限定・残りわずか・今だけ)

損失回避バイアス(Loss Aversion)は、行動経済学の中でも最重要といえる心理現象で、人間は「得する喜び」より「損する痛み」の方をずっと強く感じるというもの。1万円を「得た喜び」より、1万円を「失った痛み」の方が 約2倍くらい強烈に感じられる。つまり「損したくない!」という気持ちのほうが「得したい!」よりも行動を強く動かす。
具体例
- 買い物:「残り3点!」「本日限り!」
→ 買わないと“損する気がする”から慌てて買ってしまう。 - 投資:「含み損を確定させたくない」
→ 損切りできずに塩漬けにする。 - 保険:「万一のときに備えないと不安」
→ 本当は確率が低いリスクにも毎月払ってしまう。
損失回避バイアスのポイント
「今買わないと損します」「この割引は今日まで」といったセールストークで、企業は消費者の“損したくない”心理を突いて即決させる。オレも人生で数え切れないくらいこの罠にハマってきた。
やや欲しいくらいの物でも『今日まで半額で明日から定価に戻りますよ』と言われて買ってしまった経験は何度もある。
けれど、その半額で買った商品が年末のセールで“60%オフ”になっているのを見て、ガッカリしたことも少なくない。実はこのガッカリする気持ちも「損失回避バイアス」のせいなんだ。人は得をする喜びより、損をした痛みの方を強烈に感じるからこそ、二重にやられてしまう。
3. サンクコスト効果(引き返せない心理)

サンクコスト効果とは、すでに使ってしまった「お金・時間・労力」は取り戻せないに決まっている(=サンクコスト=埋没費用)。本来なら「今後どうするのが合理的か?」だけを考えるべきなのに、人は「ここまで使ったんだから、もったいない」と思って、さらに投資や行動を続けてしまう心理。一言でいえば、「引き返せない心理の罠」。
日常での例
映画館
チケットを1,800円で買ったけど、映画がつまらない。本来なら「途中で出る」方が得なのに、「お金がもったいない」と最後まで見てしまう。
飲み放題
すでに2杯飲んで元が取れているのに、「払った分を取り返そう」とさらに無理して飲む。
恋愛・人間関係
「ここまで付き合ったんだから」「ここまで尽くしたんだから」とズルズル関係を続ける。
投資・ギャンブル
株で損が出ているのに「ここまで入れたんだから」とナンピンしてさらに損を広げる。パチンコで「もう5万突っ込んだから、あと1万で出るはず」と追加投資。
企業の活用例
スマホゲームの課金
「ここまで強化したキャラを無駄にできない」と追加課金。
サブスク
「せっかく払ってるから使わないともったいない」と解約できない。
Appleのエコシステム
iPhoneを買った → AirPods → Apple Watch → Mac、と「せっかく揃えたんだから」で抜け出せない。
サンクコスト効果のポイント
サンクコスト効果は損失回避バイアスと密接に関係しているんだ。「失う痛み」を避けたい心理が働くため、合理的判断よりも「もったいない」が優先される
対策としては、「過去に使ったコストは戻ってこない」と強く意識し、身を切るような痛みに耐えてズバッとやめる事しかない。「今後どうするのがベストか?」に集中して判断する。自分に「もしゼロから選べるなら、今これにお金や時間を使うか?」と問いかける。
人間生きていれば、自分の人生にとって役に立たないどころか悪影響を及ぼすことに、お金・時間・労力を費やしてしまうことはしょっちゅうある。大切なのは過去に引きずられないこと。恋愛も投資も課金もね!
4. 極端回避性(真ん中を選びやすい心理)

極端回避性とは、人は選択肢が並んだときに 極端なものを避けて、真ん中を選びやすい 傾向がある。別名 「真ん中効果」。心理的に「高すぎ・安すぎ」はリスクに感じるので、「ちょうど良さそうな真ん中」を無意識に選んでしまう。
「高すぎも安すぎも嫌 → 中間が安心」という人間の心理をついた企業側の罠。
日常の例
コーヒーショップ
- Sサイズ:300円
- Mサイズ:400円 ← 一番売れる
- Lサイズ:500円
→ 多くの人が「真ん中なら無難」と選ぶ。
家電量販店
- 安い冷蔵庫:4万円(機能不足が不安)
- 中くらい:7万円 ← 売りたいモデル
- 高いモデル:12万円(高すぎて手が出しにくい)
サブスクサービス
- ベーシック:月500円
- スタンダード:月1,000円 ← 一番契約される
- プレミアム:月2,000円
プレミアム・スタンダード・エコノミー的な価格設定が罠
売りたい商品を「真ん中」に置く。高価格商品は「おとり(デコイ)」として配置されることも多い。
選択肢を3つ提示する。2つだと比較が直線的になりやすいが、3つだと「中間の安心感」が発動しやすい。
Appleやスタバは典型例
iPhone(無印・Pro・Pro Max)コーヒー(Tall・Grande・Venti)
極端回避性のポイント
人間はリスク回避傾向があり、極端なものは「損をしそう」「失敗しそう」と脳が判断する。「みんな真ん中を選びそう」と思うことで安心感が生まれる社会妥当性が人間の心理にある。
3つのグレードと価格を前にすると思考停止になって真ん中を選んでしまう。1番安いやつだと後悔しそうとか、1番高いやつだと高すぎる・贅沢すぎるだとか考えたりしないだろうか。
実際には1番下のグレードでも良かったりする場合もあるので、思考停止せずに冷静に考えて欲しい。
結局、節約とは自分の意思を強くすることでしか成し得ない

子供の頃を振り返ると、物なんかなくても、家とご飯と着る物と、あとわずかな物があれば楽しく生きていた。
大人になり、お金を稼ぐようになってから、おかしくなってしまったように思う。
テレビやYouTube、SNSを見てはあれやこれやと欲しいものが増える。買っても買っても次々と欲しいものが生まれてくる無限消費地獄に落ちてしまったよう。
この無限消費地獄から抜け出して、子供の頃のような自由を手にいれるためには、情報の断捨離をしなくてはいけないのかも。
そして、自分の意思を強く持ち、自分の意思で判断できるようにならなければいけないのかも。
結局、子供のままお金を稼げるようになっただけ、ということにならないように、今一度罠にハマらないよう気をつけたい。