沖縄で大型犬に襲われ小型犬が死亡する事故が発生
2025年4月に沖縄市で大型犬が逃走し、散歩中の小型犬(トイプードル)に噛みついて死亡させる事故があった。
同年の2025年5月沖縄県金武町でアメリカン・ピット・ブル・テリア(ピットブル)が庭に侵入し、飼われていた小型犬を死亡させた事故があった。
こういった犬同士の事故でニュースで取り上げられるのは、おそらくは氷山の一角。
「大型犬 小型犬 襲う」でYouTubeで検索してみると、大型犬の恐怖がわかる動画が出てくる。
たぶんだけど、大型犬が小型犬を襲う構図は頻繁によくある話。
これは沖縄だけの問題じゃなく、日本全国どこでも起こり得る事なんだ。
大型犬が小型犬を襲う理由を調べてみた
本能(捕食衝動)+ サイズ差(圧倒的パワー)+ 飼い方(社会化不足や放し飼い)が組み合わさって、「大型犬が小型犬を襲う」という事故につながりやすいんだ。
体格差が激しい大型犬と小型犬では「一撃必殺」の状態になり、襲われたら最後・・・ということになり易い。
1. 捕食行動(プレイ・プレイドライブ)
- 犬はオオカミの本能を色濃く残していて、「小さく動くものを追いかける」捕食本能がある。
- 小型犬の「動きの速さ」「高い声」「小さな体」は、獲物の特徴に似ているため、大型犬の狩猟本能を刺激しやすい。
2. 社会化不足
- 特に軍属や一部の飼い主は、犬を「番犬」「警戒犬」として扱う傾向が強く、小型犬や他犬種との交流不足になりやすい。
- 社会化不足の大型犬は、知らない小型犬を「敵」や「獲物」と誤認しやすい。
3. 闘犬種や番犬種の特性
- 土佐犬・ピットブル・マスティフ系などは、闘争心・噛みつき保持力が選択的に強化されている。
適切に管理されないと、小型犬との接触で事故につながる危険性が高い。
4.資源保持行動(リソースガーディング)
- 犬は「自分にとって大事なもの」を守ろうとする本能がある。ごはん・おやつ・おもちゃ・飼い主などを巡って、他犬に攻撃的になることもある。
- 特に公園などで大小さまざまな犬が集まり、「おやつタイム」や「おもちゃ遊び」をすると、この本能が刺激されてトラブルになる可能性がある。
大型犬に襲われかけた、オレと柴犬たちの体験談
公園で、白柴と赤柴の散歩をしていたときに事件は起きた。
遠くでこちらを見て興奮していた大型犬のリードが切れ、一直線に突進してきたんだ。
噛まれる寸前、オレはリードを全力で引き、進撃の巨人の立体機動装置バリに赤柴を宙に浮かせてかわす。
それを何度も繰り返し、大型犬の攻撃を必死に避けた。
赤柴は恐怖でうんちを漏らし、白柴はブチギレて戦闘態勢。
その間、およそ1分。まさに「死ぬ気で耐えた」時間だった。
飼い主が駆けつけて事なきを得たけど、あと少し遅れていたら赤柴は確実にやられていたと思う。
あの時に感じたのは、大型犬が「獲物」と見なした対象に見せる集中力の恐ろしさ。
本能と体格差の前では、小型犬は本当に無力なんだと実感した。
犬の豆知識 犬の獲物に対する集中力「プレイドライブ(獲物を追う本能のこと)」
犬の集中力(襲撃行動の特徴)
- 犬は一度ターゲットを決めるとターゲットを狙い続けるんだ。さらに「噛む」と決めたら、音や引っ張りではなかなか止まらない。
- 犬は持久力が半端ない。獲物を執拗に何分でも追い続けられる。
-
咬みつき行動は自己強化されるので、一度噛んでしまうと『離す』よりも『さらに噛む』方に意識が集中してしまう。
オレの体験から考察した大型犬に襲われた時の防衛方法の結論:時間稼ぎしかない
オレと柴犬たちを襲ってきたのは雑種の大型犬。体重はおそらく30kgくらい。
体重63kgのオレが本気でいっても止められる気はしなかった。
ちなみになんだけど、30㎏超の大型犬のパワーは、
パワー
犬の体重30kgは人間に換算すると「格闘技経験者の全力疾走でぶつかってくる衝撃」に近い。
しかも犬は4足歩行で低重心だから、成人男性でも真正面から受け止めれば吹き飛ばされる。
咬む力
30kgの犬で200kg以上の咬合力。
人間や小型犬が一度噛まれると骨折や致命傷になるレベル。
アラフィフの運動能力では、蹴っても当たるとは思えない。
しかも両手はリードで塞がっていたから、大声で威嚇するしかできなかったが…全く効果はなかった。
事件以来、防衛策を色々考えたけど、大型犬に襲われたらほぼノーガードで対応するしかないみたい。
日本では銃刀法や軽犯罪法の制限があるから、法律的にも現実的にも可能なのは以下の2つしか思いつかなかった。
これらを駆使して愛犬を守り抜くしかない。
折りたたみ傘(最も有効)
愛犬と大型犬の間に傘を開いて壁にするイメージ。
どのくらい防御できるかは運次第だが、一瞬のひるみを作れる可能性がある。
防犯ブザー(大音量タイプ)
大声では効果がなかったが、ブザーの音で犬がひるむ可能性に賭ける。
また、周囲の人に「助けを呼ぶ手段」にもなる。
ただし、飼主・愛犬・襲ってくる大型犬、全員に音がストレスとして襲いかかる。
絶対にしてはいけない!襲われている愛犬と大型犬の間に入るな!
大型犬は半端ない殺傷能力を持っている事を知っておいて欲しい。
もし、愛犬を守るために間に入って飼主が致命傷を負えば、次は愛犬が狙われる。
飼主は無傷で万全に動けるようにしておかなければ最後の最後まで愛犬を守りきれないんだ。
防衛の極意は「遭遇しないこと」
最大にして最高の防衛方法は「危険な大型犬に遭遇しないこと」なんだ。
オレが知る限り危険な大型犬の特徴は、
1. 凝視してくる(目をそらさない)
- 獲物や敵を狙う時は、相手から目を離さずにじっと見つめます。
- 視線が合ったまま固まっているのは警戒信号。
2. 体を固める・静止する
- 一見「大人しいように見える」のに、体が硬直して動かない。
- 次の瞬間に飛びかかる前触れの場合があります。
3. 低く唸る・歯を見せる
- 典型的な威嚇行動。
- 「これ以上近づくな」の合図。無視されると攻撃に転じやすい。
4. 背中の毛を逆立てる(立毛反応)
- 強い緊張や興奮状態。
- 小型犬や人に対して「戦闘モード」に入っている可能性大。
5. 突進するような動き・小刻みなジャンプ
- 相手との距離を詰める仕草は、攻撃の予行演習。
上記のような、いかにも襲ってきそうな大型犬を見かけたり危険な大型犬の存在に気づいた時は、
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道を変える
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危険な大型犬の散歩時間と時間帯を変える
を徹底する事で大型犬に襲われるリスクを低くする事ができる。
犬を守るのは飼主の思考と行動。そして最後は「運」。
けれどその「運」を引き寄せるには、危険を察知して避ける力が一番大事なんだ
犬好きにとっては残酷だけど、現実を直視して守る準備をするしかないんだ。