オレはブラッシング名人なのかもしれない
柴犬の換毛期の季節になると、柴犬の犬友に会うとお互いの愛犬の抜け毛チェックをする風習がオレの住むあたりにはある。
そこでよく言われるのが、「換毛期終わってきたの?」とか「換毛期これから?」。
「いやいや、うちも換毛期真っ最中なんですよ!暇だからブラッシングばっかりしてるんです〜!」と返事をするという会話を繰り返している。
よくよく聞いてみるとスリッカーブラシばかり使っているパターンや、換毛期はファーミネーターをメインで使っているパターンが多かった。
オレが40年以上柴犬と過ごしてきて培ってきた柴犬のブラッシング知識をまとめてみたので、柴犬の換毛期のブラッシングで悩んでいるかは参考にしてください。
下地を整える:フェルト(毛玉)化する「アンダーコートほぐし」がポイント
アンダーコートは密集した細い毛でちょっとした刺激でフェルト化してしまうんだ。
このフェルト化を防ぐためには、毎日のスリッカーでのブラッシングが重要になってくる。
アンダーコートのフェルト化の主な原因は下記の3つ。
1. 水分(雨やシャンプー後の不十分な乾燥)
→ 湿気を含んだ毛が絡まりやすく、乾くと固まる
2. 摩擦(首輪・ハーネス・寝床での擦れ)
→ 同じ部位の毛が繰り返しこすれて絡まる
3. 静電気や汚れ
→ 毛同士がまとまり、固まりやすくなる
アンダーコートがフェルト化すると、ブラッシングをしても表面の硬い毛のオーバーコートにしかブラシが届かず「オーバーコートをとかしているだけ」の状態になるんだ。結果、換毛期が始まっても毛が抜けず、皮膚に熱や湿気がこもって皮膚炎のリスクが増えて犬が痒がったり、不快感を覚えるということがある。
指で毛を摘むと抜けるのに、スリッカーやファーミネーターで頑張ってもほとんど抜けないという時は、アンダーコートがフェルト化している時が多い。
こうなった時は、オレの経験上ゴムブラシで「ある程度抜けたアンダーコート」をゴムの摩擦で取ってあげると、ある瞬間から一気に抜け始める。
換毛期に使うブラシは「スリッカーブラシ」「ファーミネーター」「ゴムブラシ」で十分
よくどんなブラシを使っているのと聞かれるので、オレのブラシの用途と選び方を紹介しておきます。
スリッカーブラシ
- 細いピンで毛をほぐす道具
- 毛並みを整えるには有効だけど、アンダーコートが固まっていると効果は薄い
- 「抜け毛と格闘してるけど取れない…」という飼主さんが多いのはこの理由
スリッカーブラシの選び方
柴犬の皮膚はデリケートなので、ブラシの先っぽが丸くなっているものならなんでもいいと思う。
これはダメだなという粗悪品に当たったことは今のところない。
ファーミネーター
- アンダーコートをごっそり取る強力アイテム
- 毛の長さに合ったタイプを選ばないと効果が出にくいので注意
- やりすぎると皮膚を傷めることもあるので、週に数回程度が目安
オレの感覚では本物とパチモンで大きな差はないんだけど、パチモンはひょっとすると製品によっては当たり外れがあるのかも。その点では公式のファーミネーターのほうが品質が安定しているから、安心感を求める人は公式を選んだ方がいいかもしれない。ただ、オレはパチモンを使っていて困った事はないので、これからもパチモンを使い続ける予定。
ゴムブラシ
- 静電気と摩擦で毛をからめ取る仕組み
- 足まわり、顔、頭など、金属ピンや刃だと刺激が強すぎる部位に向いている
- ゴムの柔らかさで皮膚を傷つけにくい
ゴムブラシはドギーマン一択。持ちやすさ、ゴムの柔らかさからブラシの間隔や深さからほぼ完璧。10〜20㎏サイズの柴犬を短毛用で完全にカバーできる。だいたい2〜3年でブラシ部分が無くなって寿命を迎える。
換毛期のブラッシングの頻度と手順
換毛期のブラッシングの頻度は1日2回朝晩くらいで十分だと思う。
1回あたりのブラッシング時間は短めでコツコツ回数を重ねる方が効果的だと、オレは思う。
80%くらい抜けたな、と思った時点で切り上げると、大体15分かからないくらいで終わる。
そこから残りの20%の抜け毛をとりにいくとプラスで15分はかかってしまうイメージがあるんだ。
だったら朝晩に15分づつした方が、1日一回がっつりブラッシングをやるより、取れる抜け毛の総量は多いと思うっていうのがおれの考え。
ブラッシングの手順
① スリッカーブラシ(ほぐし)
毛並みに沿ってアンダーコートをほぐすイメージでブラッシング。このブラッシングをいい加減にするとファーミネーターが引っかかったり、アンダーコートの上で滑ったりしてしまう。
② ファーミネーター(アンダーコート除去)
換毛期のメイン武器。頭部分と前足部分以外はこれでごっそり取れる。
ただ、やりすぎ注意。押し付けながら使うと愛犬の皮膚を痛めてしまうから、皮膚に当てないように軽くすくうように使うこと。
③ ゴムブラシ(仕上げ+マッサージ)
ファーミネーターで取りきれなかった、残った浮き毛をキャッチ。
強く擦ると逆効果なので、優しく撫でるように使うのがコツ
④ スリッカーブラシ(最終整え)
最後にもう一度軽く通して毛並みを整えて、細かい抜け毛を払い落とし、見た目もすっきりさせる。
床屋さんや美容室で最後にブラシでシュッシュしてもらうイメージで。
抜け毛以外のブラッシングの効果
柴犬の飼主あるあるなんだけど、ブラッシングというと換毛期の行事みたいなイメージがあったりするんだけど、実は犬にとって、たくさんのメリットがあることなんだ。
柴犬が縄文犬だった頃、野山を駆け巡って体に小枝や硬めの雑草がブラッシングの役割をしていたんだ。
野山を駆け巡れない愛犬にしっかりと飼主が愛情を伝えながら、ブラッシングをしてあげたいところ。
皮膚の血行促進
- ブラッシングで皮膚が軽く刺激されて、血流がよくなる。
- 新陳代謝が活発になって、毛の生え変わりもスムーズになる。
皮膚・被毛の健康維持
- 汚れやフケ、花粉を取り除ける。
- 毛のもつれやフェルト化を防ぎ、通気性がよくなって皮膚炎の予防につながる。
体調チェックのチャンス
- しこり、傷、ノミダニなど普段気づかない異変を発見しやすい。
- 特に柴犬は皮膚トラブルが多いから早期発見に役立つ。
リラックス効果
- 気持ちいいとウトウトする子も多い。
- 飼い主とのスキンシップになって、信頼関係が深まる。
ブラッシングを習慣に!
ブラッシングをすると毛が抜けて部屋が汚れてしまうから、掃除機をかける前のタイミングでしかやりたくないというのが実情だと思う。ただ、ブラッシングをやりこんでいくと、そんなに抜け毛を飛び散らさずにブラッシングができるようになってくるんだ。
オレは正直、愛犬のブラッシングはめんどくさいと思っているんだけど、朝の散歩後と夜の散歩後に「1匹10分くらい×2匹」を習慣でしているので、めんどくさいけどやらないと気持ち悪い感じになってやっている。
なんだかんだ思いながら始めると、ブラッシングをしている時に愛犬が❤️な顔でオレを見つめてくる。
それでオレも愛犬に❤️になってきてしまうんだ!