日本古来からの考え方「言霊」
言霊とは日本の古代思想の事で、「言葉には魂が宿り、発した言葉が現実に影響する」とされてきた。「悪口を言うと悪いことが起きる」「良い言葉は幸運を呼ぶ」という発想は、単なる迷信じゃなくて、最新の研究結果で心理学や脳科学で裏付けが取れてきているんだ。
アラフィフにもなると口癖の一つや二つどころでは済まない数の口癖が身についていると思う。そんな口癖で良い結果が起きれば悪い結果が起きたりもするんだ。
言葉を選んで使う事自体はタダ、ゼロ円なんだ。だったら、良い結果が生まれるような言葉をチョイスして使っていった方がいいに決まっている。
現代科学での裏付け

脳科学:ネガティブワードは扁桃体を刺激してストレス反応を強める。ポジティブワードは前頭前野を活性化して安心感を生む。
心理学:ポジティブな言葉を繰り返す人は「精神的・肉体的回復力」が高まりやすい。
精神的回復力とはストレスや逆境にぶつかったとき、心が折れずに回復したり、しなやかに適応できる力の事。ポジティブな言葉を使うことで、脳の「認知のフィルター」が前向きになり、困難を「乗り越えられる課題」として捉えやすくなる。結果的に、不安・うつ・イライラの回復が早くなる。
心と体はつながっているから、結果的に身体にも良い影響がある。ポジティブな言葉を使うとストレスホルモン(コルチゾール)が減って免疫機能(NK細胞の働き)が高まり、病気への抵抗力が強くなる。血圧や心拍数も安定しやすくなる。つまり「精神的回復力」が強くなると、身体の健康回復力(生理的レジリエンス) にもつながるんだ。
社会学:発した言葉が人間関係を形作り、そのフィードバックがまた自分の人生に返ってくる。
つまり、昔の人は「言葉が現実を作る」という直感的な知恵を 言霊 という形で表現していた。
現代風に言えば、脳への影響(セルフトーク効果)・人間関係への影響(ミラーニューロン効果)・行動習慣の変化(自己暗示効果)が全部そろって「言霊の正体」って事になる
代表的な「人生を悪くする口ぐせ」7選

①「どうせ〜」「結局ムダ」
- 自己効力感(self-efficacy)を下げる典型的なフレーズ。
- 失敗や挑戦を避けるクセがつき、成長やチャンスが減る。
②「でも」「だって」
- 他責思考や言い訳のパターンを強化する。
- 相手からは「やる気がない」「話を聞く気がない」と見られやすく、人間関係を悪化させる。
③「〜しかない」「仕方ない」
- 自分の選択肢を狭めるフレーズ。
- 自己決定感が減ってストレス耐性が下がる。
④「自分なんて…」「どうせ私は…」
- 自己否定を強め、脳が「その通りだ」と思い込み始める(認知的不協和の逆利用)。
- 周囲にも「卑下グセがある人」と見られ、チャンスが遠ざかる。
⑤「普通は〜」「みんなやってる」
- 思考停止フレーズ。判断基準が自分ではなく「世間」になりやすく、後悔しやすい。
⑥「時間がない」「忙しい」
- 自分の優先順位の問題を見えなくする。
- 本当は「やらない」ことを選んでいるだけなのに「できない」と認識してしまう。
⑦「なんで自分だけ…」「あの人はずるい」
- 被害者意識を強化し、自己肯定感をさらに下げる。
- 感情の焦点が「他人」に移り、建設的な行動を取れなくなる。
人生を良い方向に変える口ぐせ7選

①「ありがとう」「感謝してる」
- 感謝の言葉を口にすると、自分の幸福感も高まる(ポジティブ心理学の研究あり)。
- 周囲との関係も良くなり、サポートが得やすくなる。
②「やってみよう」「まず一歩」
- 成功体験を小さく積み上げるトリガーになる。
- 自己効力感を高めて「挑戦できる人」へと変わる。
③「なるほど」「確かに」
- 相手の意見を受け止めるサイン。
- 人間関係の衝突を減らし、信頼されやすくなる。
④「まだ途中」「これから」
- 自己否定を避けつつ成長マインドセットを保てる。
- 「できない → まだできていない」への言い換えで学習意欲が続く。
⑤「大丈夫」「なんとかなる」
- 自己暗示的にストレスを緩和する。
- 不安を和らげ、行動力を保つ効果がある(セルフトーク研究より)。
⑥「選べる」「自分で決める」
- 自己決定感を強めるフレーズ。
- モチベーションが「外からの強制」ではなく「内発的」になる。
⑦「楽しい」「ワクワクする」
- 脳の報酬系が刺激され、集中力や粘り強さが増す。
- 前向きな姿勢が周囲にも伝わり、良い循環が生まれる。
口ぐせが脳に与える影響

1. 脳は「言葉」を現実として処理する
脳は想像と言葉と現実を区別するのがあまり得意じゃないんだ。例えば「もうダメだ」と口に出すと、脳はその状況を「ダメな状態」として処理し、ストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されやすくなる。逆に「できる」「大丈夫」と言うと、安心ホルモン(セロトニンやオキシトシン)が働きやすくなる。
2. 自己暗示(セルフフルフィリングプロフェシー)
「どうせ無理」と繰り返すと、挑戦する前から諦める行動が増える。「まだ途中」と言えば、失敗を学習ととらえて行動が続く。言葉が思考を強化し、思考が行動を決める事で結果が現実化する。
3. 神経回路の再配線(ニューロプラスティシティ)
脳は繰り返される言葉や思考に合わせて回路を作り直す。ネガティブな口ぐせを続けると「悲観の回路」が太くなりやすく、ポジティブな口ぐせを習慣化すると「楽観・挑戦の回路」が強化される。
4. ミラーニューロン効果
自分が発した言葉は周りの人の脳にも影響する。「無理」「疲れた」とばかり言っている人のそばにいると、周囲も消耗する。逆に「ありがとう」「やってみよう」と言う人の周りは、協力者が増えやすい。
口ぐせはただの「口の習慣」じゃなくて、・脳のホルモンバランス・神経回路の作り替え・行動選択の基準・周囲への影響まで変えてしまう。だから「小さな口ぐせ」が「大きな人生の流れ」を作るんだ
脳を鍛える口ぐせトレーニング法
1. ネガティブ→ポジティブに置き換える
まず、自分の口ぐせを観察して「よく言ってるネガティブな言葉」をピックアップ。
そして、それを脳に優しい言葉に置き換える。
- 「どうせ無理」→「まずやってみよう」
- 「忙しい」→「優先順位を変えよう」
- 「仕方ない」→「自分にできることは何?」
- 「疲れた」→「ちょっと休もう」「よく頑張った」
ポイント:禁止ワードを決めるより、代わりの言葉を決める方が続く。
2. 反復で回路を作り替える(ニューロプラスティシティ)
脳は繰り返しで強化されるから、毎日「口ぐせリハビリ」をする。
- 朝:鏡の前でポジティブ口ぐせを3回言う
(例:「今日もやれる」「大丈夫」「楽しもう」) - 昼:仕事や家事でしんどい時に、置き換えワードを必ず口に出す
- 夜:寝る前に「今日もありがとう」を3つ見つけて口に出す
ポイント:声に出すと脳へのインパクトが3倍強くなると言われている。
3. 感情をのせて言う
単に言葉を唱えるだけだと「空虚なアファメーション」になりがち。
大事なのは 感情を込めること。
- 「ありがとう」は相手の顔を思い浮かべながら
- 「大丈夫」は胸に手を当てて呼吸を整えながら
- 「やってみよう」は少し笑顔を作って言う
感情がのると、脳は「現実感がある」と判断して回路を強化する。
おすすめの始め方
1. まずは1つだけ置き換えフレーズを決める(例:「どうせ無理」→「まずやってみよう」)。
2. 1週間、その言葉を意識して繰り返す。
3. 慣れてきたら次の口ぐせを追加する。
おすすめは、まず 「ありがとう」 と 「まだ途中」 の2つから始めること。
この2つは心理学研究でも効果が実証されていて、感謝と成長マインドの両方を鍛えられるんだ。
自分の口癖をノートに書いていくと面白い

オレは自分の口癖が気になって、気づいた時に自分の口癖をノートに書いてみたんだ。
それでわかったのが、「でも・だって」「どうせ駄目」「早く◯にたいな」「どうでもいい」「めんどくさい」だったんだ。
見事にネガティブワードを使いまくっていた。
これじゃ、面白いブログ記事が書けるわけないわな(笑)と笑えてきたんだ。
人生は死ぬまで続く。ネガティブワードを使いながら下向きの気持ちで生きていくなんてオレは絶対にイヤ
オレの口癖をポジティブに置き換えると、
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ネガティブ口癖 |
ポジティブ/前向き置き換え例 |
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でも・だって… |
「たしかに」「じゃあどうしようか?」 |
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どうせダメ |
「やってみないとわからない」「可能性はある」 |
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早く◯にたいな |
「早く楽になりたいな → どうやったら楽になれるか考えよう」「今の自分をもっと大事にしたい」 |
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どうでもいい |
「本当はどうしたい?」「優先順位を決めよう」 |
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めんどくさい |
「今は気が重いけど5分だけやろう」「小さく始めてみよう」 |
となる。
確かにポジティブだ(笑!)
ネガティブな口ぐせはただの言葉ではなく、脳・体・行動・人間関係にまで影響する「小さな習慣」。
でも、それは逆に言えば、言葉を変えれば人生の流れも変えられるということ。
今日から1つだけでいいから、ネガティブな口ぐせをポジティブに置き換える練習を始めてみてもいいのでは?
きっと未来の自分が、今より軽やかで前向きになっているはず。